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肩関節痛の専門治療
肩関節の痛みは、膝痛、腰痛に続いて多い愁訴です。
一般に、スポーツでの肩痛は“筋力トレーニングで治る”と筋トレを指示して、中高齢になると“五十肩”だからと痛み止めの治療で終始する傾向があります。しかし、関節を支える関節唇、関節包靭帯や腱板などの損傷があれば適切に診断して治療をしなければ悪化していきます。
当院では専門医により速やかに正しく診断を行い、必要な修復手術、再建手術があれば提案します。お困りの症状に関して、遠回りすることのない治療を心がけていきます。
肩関節のスポーツ外傷手術を受ける方へ
肩関節のスポーツ外傷・障害:肩関節脱臼、関節唇損傷
野球のヘッドスライディングやラグビーのタックル、サッカーやバスケットボールでの衝突などにより肩関節を強く捻転することで、関節を支える関節唇や関節包靭帯を損傷することがあります。関節面の骨折も脱臼の約半数に生じます。関節がずれる、外れるといった自覚症状が生じます。衝突がなくても、野球の投球やテニスなど腕を大きく振る動作を繰り返すことで、関節唇や腱板に損傷が生じます。
関節不安定感や痛みを伴うため動作に制限が生じて、十分なスポーツ動作ができなくなります。このような損傷は、時間経過やリハビリだけでは根治できないことが多いです。
問診、診察と画像検査により診断を行い、関節鏡下手術を用いて低侵襲に治療します。
当院では肩関節脱臼に対して、より確実で早期回復を目指した烏口突起移行術を関節鏡手術と同時に行うことで、術後3-5ヶ月での競技復帰を目指すことが可能です。
肩関節脱臼の手術を受ける方へ
関節鏡で行う場合、関節窩縁にアンカーを打ち付け、これにより緩んだ関節包や靭帯を引き締める手術を行います。
手術中の関節鏡所見はこちら↓

脱臼に生じる関節面の骨折

関節鏡下関節唇修復術

烏口突起移行術
その他の肩関節鏡視下手術
オーバーヘッドスポーツに多い、肩上方関節唇損傷(SLAP損傷)。関節唇を直接縫合したり、同部を牽引する腱を切離し固定する手術があります。
肩鎖関節が傷んだ方も、関節鏡で処置できます。
肩腱板損傷の手術を受ける方へ
中高齢の肩関節痛:腱板断裂、変形性関節症
繰り返しの動作や加齢変化により、肩関節を支える腱板(インナーマッスル)が関節近傍で徐々に損傷を生じます。微細な損傷は痛みや引っかかり感を生じます。完全断裂となれば痛みだけでなく筋力低下を起こします。これらは経年的に進行し、いずれ軟骨損傷(変形性関節症)に至ります。よって早期の修復手術の方が、回復が良いことが分かっています。
腱板断裂に対しては関節鏡下手術で対応できます。経過が順調であれば手術後3ヶ月で日常動作に制限がなくなります。
手術中の関節鏡所見はこちら↓
【腱板縫合術】
【肩峰・腱板手術】

MRI画像 腱板断裂

関節鏡所見:腱板断裂

腱板断裂 修復後
腱板断裂が広範囲に生じている方に対しては、現存組織の温存を図るため筋線維を剥離して前進させ、腱板を修復する手技を選択しています。

腱板広範囲断裂

筋剥離前進修復法
関節変形が生じ、腕の挙上困難な方には人工関節(リバース人工関節)手術により、腕の挙上が可能になります。

腱板広範囲断裂による関節症

リバース型人工関節置換術

症状や手術などご不明な点は、お電話にて前野整形外科までお問い合わせください。